Dental Column

歯科コラム

「小児歯科」について

当院は、ビルの特性上、小児の患者様も診させて頂いております。

子供の歯は、お母さんのお腹の中に居る時から、その小さい歯の芽は作られています。
つまり、「マイナス0歳児からのお口のケア」が大切なのです。

☆詳しくは,コラム「マイナス0歳児から」 をご参照下さい。


初めて生えてくる子供の歯は、わからないこともたくさんで、でも、誰に聞いたら良いか・・と悩む事も多いでしょう。

どんな歯ブラシをつかって、どんな風にケアすれば良いか?

うちの子の歯は、大丈夫?

どんなささいな事でも、一度ご相談下さいね。


また、予防歯科にも力を入れています。

お子様のフッ素塗布や、口腔清掃指導などは歯が生えた時点から通院が可能です。(歯が生える前でもご相談など受け付けております)

虫歯になっていなくても、歯医者さんに通院する事が、小児歯科ではとても大切なのです。

メリット1  間違ったケアを改善出来るようになる
メリット2  小さいうちに虫歯を発見出来る(小さいうちが治療も楽です!)
メリット3  いざ治療、となってしまっても歯医者さんに慣れている子供の方が、治療がスムーズ

などなど、他にもたくさんのメリットがあります。
健康だからこそ、健康な状態を手に入れたいからこそ、こまめな通院が大きな効果を発揮してくれます。

「虫歯菌の感染時期と虫歯の重篤度の関係」


虫歯の菌で有名な、ミュータンス菌。生まれたての赤ちゃんのお口の中には細菌はいません! お母さんやお父さん、まわりでお世話する人たちのお口から、子供へと感染していくのです。

赤ちゃんの歯が生え始める5〜6ヶ月の頃から、虫歯菌は定着出来る土壌ができあがります。

ここでとあるデータをみてみましょう。
・生後1歳半までに虫歯菌に感染した子供は、かなり重度の虫歯になる可能性がある
・生後1歳半〜2歳半までに虫歯菌に感染した子供は、カリエス発症のリスクが上昇する

つまり、出来るだけ、虫歯菌に感染する時期が遅い程、カリエスのリスクを減らす事が出来るのです。
2歳や3歳になっても母乳育児を続けていて、寝かせる時にくわえさせたまま歯磨きをしない子供さん、哺乳瓶で甘い飲み物を飲ませている子供さん・・ 虫歯菌が居なければ、虫歯にはなりませんが、離乳食を口移してあげていたり、生活の色々なシーンのなかで、気づかないうちに虫歯菌は子供に感染していくのです。

ですので、
・できるだけ、同じ食器を使わないようにする
・口移しでごはんを与えないようにする
・お母さんやお父さん、まわりでお世話をする大人が持っている虫歯菌の数を減らすようにする(虫歯がある場合は,放置せずに治療を済ませておくことや、キシリトールガムなどで積極的に虫歯菌を減らす環境を作る、など)

など、努力して頂ければと思います。

いつの日か、子供に虫歯菌も感染していくのですが、大切なのは、「感染の時期」です。
頭の隅に、このデータのことを置いておいて頂ければと思います。

「フッ素のおはなし」

家庭用のフッ素歯磨き粉など、いろいろな製品が市販されています。
ここでは、家庭用のフッ素についてのお話をさせていただければと思います。

家庭用のフッ素は、濃度にして100〜950ppmほどのものがほとんどです。
一方、歯科医院で使用するフッ素は濃度にして9000ppmの濃度になり、家庭用のものの約10倍ほどの濃度となります。(※フッ化ナトリウムでの濃度のお話になるので、フッ化第一スズをお使いの方は、濃度表記が異なる場合があります)

当院では、月齢によってざっくりと適正濃度を決めています。

0・1・2歳 100ppm 
→ ピジョンのフッ素(¥450ほど)やレノビーゴ(¥1350)など。歯が生え始めたら使用が可能です。
始めはガーゼに塗布して指で塗り込んであげるところからスタートして、1歳を過ぎたら歯ブラシの毛先に付けて塗り込んでください。歯ブラシの毛の感触に少しずつ慣れさせてあげるのが大切です。2歳をすぎるとなかなか歯磨きを嫌がって、お口を触らせてくれない子供も増えてきますが、ここは根気よく続けましょう!

3・4・5歳 500ppm 
→ check up gelのバナナ味など。 歯科医院専用のフッ素ジェルです。(¥850)
市販のもので500ppm前後の製品を探すのはなかなか難しいです。濃度表記がされておらず、フッ素含有としか書いていない場合も多々ありますのでご注意下さい。
3歳を過ぎると、社会性も出てきはじめ、食べるものも多様化します。虫歯になるリスクも上がってきますし、乳歯列も完成します。一日3回の歯磨きを徹底させてあげること、毎回フッ素を使用する事、がとても大切になってきます。この時期に虫歯を作らない事が、永久歯でも虫歯を作らない事に繋がってくるのです。

6歳〜 950ppm 
→ check up gel のぶどう味など。 歯科医院専用のフッ素ジェルです(¥850)
6歳を過ぎると、永久歯に少しずつ生え変わってきます。大人の歯は一生使う歯になりますので、家庭用のものの一番濃度の高いフッ素を使用するようにしましょう。12歳くらいまで混合歯列期といって、大人の歯と子供の歯がお口の中に混在する時期は、虫歯になるリスクがぐっと上がります。仕上げ磨きは夜だけでも続けるようにしてください。
小学生になったら1人で磨けるから・・とほったらかしになる事も多いのですが、私はあえて、仕上げ磨きを続けてもらえたらと言いたいと思います。


虫歯を作らないようにする為には、フッ素だけの力ではどうしてもカバー出来ません。
どんな食事をとって、子供のまわりの大人から虫歯を作らず、また虫歯菌の数を増やさずにいられる環境を作る事などもとても大切になってきます。

みんなでがんばりましょう!

「家庭用フッ素の選択」

お家で使うフッ素にもいろんな種類がありますが、どんなものが良いのでしょうか?
ここでは、年齢別に家庭用フッ素を分類してみました。

0、1、2歳
・レノビーゴ
・ピジョンのフッ素 など フッ素濃度約100ppmのものを選ぶ
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3、4、5歳
・チェックアップこども ばなな味 など フッ素濃度約500ppmのものを選ぶ
・チェックアップフォームなども併用
・うがいが出来るようになれば洗口法もすすめる
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6歳〜
・チェックアップこども グレープ味など フッ素濃度約900ppmのものを選ぶ
・チェックアップフォームなども併用
・うがいが出来るようになれば洗口法もすすめる

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いろいろな商品がありますので、ここに記載しているのは一例です。
0、1、2歳の間は、飲み込んでも問題ない濃度のフッ素を取り入れること、また、1日3回、出来る範囲で使用してください。歯は、生え始めの頃が一番フッ素の取り込みがスムーズです。

1歳半ごろから、ぐちゅぐちゅぺっ、の出来る子供もちらほらといらっしゃることでしょう。これが出来るようになれば、そろそろフッ素濃度の高いものを選んで頂いて良いでしょう。目安としてはフッ素濃度500ppmぐらいです。2歳頃からは歯科医院でのフッ素塗布も初めてみましょう。虫歯が無くても歯科医院に来る習慣をつけて頂くことで、早めに虫歯を見つけられるし、また「歯医者さん慣れ」のできた子供は、治療になってもスムーズにスタート出来ます。

6歳を過ぎれば大人の歯(6歳臼歯)が生えて来ます。この頃からは、大人の歯が虫歯にならないように、特に気をつけて頂かなくてはなりません。フッ素濃度も900ppmと、大人と同じものを使用してください。フォームタイプや、洗口法などもあります。

子供の歯はいつか生え変わるから虫歯になっても大丈夫、ではありません。
大人の歯がきちんと生え変わって虫歯ゼロで使って行くには、子供の歯のうちから虫歯にならない習慣をつける必要があるのです。

「矯正の器具が外れてしまいました」

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矯正治療の間は、予期せぬことも起こるものです。このように、器具が外れてしまうことも多々あります。

自分で治そうとすると器具が壊れてしまうことなどもありますし、このまま放置しておくと噛み合わせや治療に支障を来すケースもありますので、外れてしまったらすぐに医院までご連絡下さい。
お手数をおかけしますが、宜しくお願い致します。

「歯の数が足りず、形が変です」

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写真のような前歯が生えてくる乳歯は意外と多くあります。癒合歯、または癒着歯と呼ばれます。

2本の乳歯が何らかのきっかけでくっついてしまった状態で生えて来ます。
永久歯の頃には問題なく生えてくる場合もありますが、数が足らないケースもちらほら見受けられます。
いずれも、経過観察が必要ですので、乳歯の間はこのまま使ってもらい、永久歯に生え変わるころに一度レントゲンなどを撮影して精密検査を受けることをお勧めします。

「お父さんが受け口ですが、子供は・・」

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乳歯で受け口だと、将来、大人の歯が生えてからも受け口になるのでは、、と心配な方も多くいらっしゃると思います。


歯並びは遺伝要因も多く占めるので、ご両親が受け口だと子供も受け口になる可能性は高いと思います。小さいお子さんは、顎を前に出す癖もあるようです。2〜3歳位まで様子をみて自然に治らないときには、一度ご相談においで下さい。

「歯が折れてしまいました・・」

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乳歯でも、永久歯でもこけたりぶつけたりで、歯が折れてしまうことは多々あります。
まず折れてしまったら、怪我の具合を確認して下さい。
次に、折れた具合にもよりますが、折れてしまった歯を牛乳などにつけて歯科医院まで持って来てください。

大きく折れた場合、歯科用の接着剤などで修復することが可能な場合もあります。
ですので、どんな小さなものでも、一度お持ち頂ければその具合で処置の方法を考えます。

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また、場合によっては歯が抜けてしまう場合などもあります。

一番不安に思っているのは、お子さんの方ですから、落ち着いて対処してくださいね。

「年齢と歯並びについて」

歯並びの気になられるお母様も多くいらっしゃることでしょう。
特に観察が必要な時期として、2歳半〜3歳6〜8歳10〜11歳の時期がポイントです。

■2歳半〜3歳
・E(第2乳臼歯)と呼ばれる歯も生え、乳歯が全て生え揃います。
・この時期に前歯に隙間がなかったり、デコボコと並んでいる場合、歯並びが悪くなるケースがあります。
・永久歯の前歯は、乳歯の前歯の1.2倍ほどの大きさをしています。つまり、永久歯の生えるスペースを確保する為に、乳歯列は隙間があるほうが良いのです。


■6〜8歳
・4本の前歯が随時、永久歯に生え変わり、6歳臼歯がE(第2乳臼歯)の後ろから生えて来ます。
・4本の前歯が、乳犬歯の間にキレイに並んでいれば、この時期は問題がありません。
・デコボコとしている場合は、将来的に八重歯になるケースも多いです。


■10〜11歳
・犬歯が乳歯から永久歯に生え変わってくる時期です。
・犬歯が生えてくることによって、スペースが足りていなかった場合、犬歯の生える力によって押されて、2番目の前歯が奥に入ってしまうケースがあります。
・この場合、その前歯が下顎の後ろに入ってしまう、反対咬合という状態になってしまいます。


これら、不正咬合を予防する為には、
・前歯でかぶりついて、奥歯でしっかりとよく噛んで食べる習慣をつけよう
・屋外でよく遊んで、運動しましょう。これら運動と、紫外線による刺激によって、生体内のカルシウム代謝が活発になり骨格の発育を刺激します。結果、歯の生えるスペースも確保され、歯並びを良くすることにも,一役買います。
・食欲のある子供に成るように、また、きちんと噛んで食べられるような食事を用意しましょう。

また、4歳以上の年齢であれば、矯正を開始することも可能ですが、ケースによって、適切な時期は様々です。ご不安の方は、一度ご相談下さい。

「フッ素とシーラント」

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最近はフッ素含有の歯磨き粉も多く市場に出るようになりました。また、勉強熱心なお母さんの中では、歯が生えて来たらフッ素で虫歯予防を行うという知識も、ほとんどの方がご存知です。

■フッ素について
フッ素には、歯の表面にあるエナメル質の成分と結合してフルオロアパタイトという、虫歯になりにくい強い歯へと変えてくれる働きがあります。
基本的には歯が生えはじめたら、フッ素を塗布してかまいません。
しかし、なかなか最初はお口をさわらせてくれなかったりしますので、遅くても1歳半ごろから3〜4ヶ月に一度は、フッ素を塗りに医院まで来てください。
また、ご自宅での歯磨きも、最初は水だけでされていらっしゃると思いますが、使えそうであれば、ご自宅でもフッ素含有の歯磨き粉を使ってみてください。
毎日少しずつ、歯とフッ素が出逢う機会を作ってあげて、また、歯医者さんでは3〜4ヶ月に一度の定期検診を兼ねたフッ素塗布(歯科医院専用のフッ素を用います)で、歯を強くしましょう!
生え始めたばかりの歯は、大人の歯に比べて、フッ素をより多く取り込めます。
また、小さい頃から歯科医院に通って頂くことで、「歯医者さんはこわくないところ!」ということを、肌で感じて頂ければと思います。痛くなる前に行く歯医者さん、を目指したいところです。

■シーラント
シーラントとは、予防的に奥歯の溝の部分に白いプラスティックの材料を充填することで、虫歯を未然に防ぐ目的で行われます。
乳臼歯が完全に出てくる1歳半前後〜、また、永久歯(6歳臼歯と呼ばれるもの)が生え始める6歳前後は、特にシーラントに適した時期と言えます。
虫歯になってしまってからでは、シーラントでなく治療になってしまいます。
生え始め、そして、生えきった頃がシーラントの時期になります。


「歯磨きのポイント」

子供さんの歯磨きの仕方について、ここでは触れて行きたいと思います。
(お母さんも一緒にマスターしてくださいね!)

■歯磨きのポイント
  ☆子供のお口に合った、ヘッドの小さい歯ブラシを選びましょう
  ☆持ち方はグーでなく、鉛筆持ちで、優しい力で磨きましょう
  ☆鏡を見ながら、磨けているかチェックしましょう
  ☆楽しみながら、毎日磨く習慣を付けて行きましょう
  ☆特に汚れが残りやすい、歯と歯ぐきの間、歯と歯の間、奥歯の噛み合わせの部分、歯の内側を重点的に磨きましょう
  ☆仕上げ磨きの時は、まず褒めてあげること。そして、子供と一緒に楽しく磨くこと
    が大切ですよ!
  ☆仕上げ磨きの時の姿勢は、お母さんのお膝の上に子供を乗せてあげるとお口の中が
    見やすいですよ!
   (暴れるときは、お母さんの太ももの間に子供さんの頭を挟み込んで、両腕は、お母さんの太ももの下に固定する場合もあります!)
  ☆2〜3歳になったら、10から0まで数字を数えながらブロックごとに歯磨きすると、数の勉強にもなるのでおすすめです!

「おやつの与え方」

乳歯は、永久歯に比べると、軟らかいため、虫歯になりやすいです。また、甘いものが好きな子供も多く、親も、子供が泣いたらお菓子をとりあえず与えてだまらせてしまう・・なんていうお母さんも多いのではないでしょうか。

お菓子に含まれる糖分は、脳にとっては必要な栄養素ですし、情緒的に満たされると言う点に於いても、とても素晴らしい効果もあります。
大切なのは、
「どんなお菓子を与えるか?」 
「どういう風にお菓子を与えるか?」 
「お菓子を与える時の約束事を守れるか?」 

にあると思っています。
たとえば、ビスケットやクッキーなど、歯にくっつきやすいお菓子は、虫歯にもなりやすい性質がありますし、だらだらとあげていると、それだけ虫歯になるリスクも高まります。


■おやつを与える時のポイント
 ☆噛みごたえのあるお菓子を選びましょう
  顎の発達を考えた場合、よく噛むことで顎は発達します。今後の歯並びのことを考
  えた場合、顎の発達はとても大切なポイントです。
  ガムが食べれるようになったら、キシリトール入りのモノをセレクトして下さいね。

 ☆歯にくっつきやすいお菓子は避けましょう
  ビスケットやクッキー、チョコレートなどは歯にくっつきやすいので、歯磨きでも
  取り除きにくいのが特徴です。すなわち、虫歯になりやすいのです。

 ☆炭酸入りジュース、ポカリスエットなどの清涼飲料水には注意しましょう
  コーラなど、甘くて美味しい飲み物は、子供の虫歯を助長します。お菓子と一緒に
  何かを飲む場合は、お茶など、出来る限り甘いものは避けましょう。

 ☆1回で食べる量を決めましょう
  だらだら食べたり、食べ過ぎたり。一番よくありません。人間は、ご飯を食べると、
  口の中のpHが下がり、酸性になります。酸性ということは、虫歯になりやすい環
  境になるということです。つまり、お菓子を食べる回数が増えると、そのあとはす
  ぐに虫歯になりやすい環境になるので、虫歯になる機会が増えると言うことです。
  だらだら食べずに量と時間を決めましょうね。

 ☆食べた後にはもちろん歯磨き!
  そうは言っても無くてはならないのがお菓子。食べた後には歯磨きがお約束!
  毎日の積み重ねが、将来の子供の歯の環境を良いものにしてくれることでしょう。
  なんでも根気が大切! お母さんと子供で一緒になって頑張りましょう!
 
 ☆仕上げはフッ素で。
  忘れないでくださいね、予防に一番なのが、フッ素です。お家で毎日、3ヶ月ごと
  に、歯医者さんでもフッ素。これが続けば、健康な歯でお菓子も食べられますよ!

「指しゃぶりのお話」

指しゃぶりは、ずっと続けていると、上の前歯が出っ歯になってしまいます。なぜなら、日中、指が口の中にあり、また吸う力が骨の成長を前へ前へと促してしまうため、骨や、骨と一緒に歯も前へと出てしまうのです。

生後3ヶ月頃から始まる指しゃぶりは、「これが指なんだ!」「これはどんなものかな?」と言った、成長過程に必要な行為として有用です。しかし、いつまでたっても指しゃぶりをやめない子供も中には居ます。

ある大学の3歳児検診での指しゃぶりの有無を尋ねた調査結果では、全体の15%が指しゃぶりをしているとの報告がありました。つまり、3歳前後までは、なんらかの形で指しゃぶりをしている子供が多いと言う訳です。

結果からお話しすると、遅くても3歳までには指しゃぶりの癖を取るように努力しましょう!ということです。

永久歯の歯列へ、大きく影響するのは5歳をすぎてもまだ指しゃぶりをしている子供さんです。
その場合は早急に指しゃぶりを辞めさせる必要があります。


■4〜5歳児の指しゃぶりの辞めさせ方
この頃まで続けている子は、なかなか辞めさせるのが困難です。無理矢理辞めさせようとしても、それがかえって逆効果になってしまうこともあります。指はしゃぶらなくなったけど、タオルやおもちゃをしゃぶりだした・・ これもよくあるパターンです。

子供さんが、いつ指しゃぶりをするのかをじっと観察してみてください。
お腹がすきだしたら、寝る前になったら・・子供によって様々です。寂しくて、など、精神的な原因による場合もあります。

子供の精神的な問題、情緒の発達等、そのような観点から考えた場合、無理に辞めさせることが子供にとって最善策かは、意見の異なる所ですが、歯科の観点からすると、将来的に歯並びが悪化する可能性があるので、出来れば3歳までには指しゃぶりも卒業して頂けたらとは思います。

最終的に、色んな情報をもとに、子供にとってベストな方法を選択してくださいね。

「虫歯予防のポイント」

子供の虫歯の特徴は、進行が早い お母さんやお父さんに虫歯が多いと子供も多い傾向にある などの特徴があります。ですので、子供の虫歯を予防する為には次のような注意事項が挙げられます。


★ 歯磨きの習慣をつける!
基本は歯磨き!磨くことも大切ですが、汚れを落とすことが歯磨きの原点だということも忘れずに!

★ 仕上げ磨きも一緒に!
まだまだ、子供まかせでは取り返しがつかないことが多いので、お母さんが必ずチェックしてくださいね!

★ お母さん、お父さんもきちんと虫歯が無いように気をつける!
虫歯の菌、歯周病の菌、歯科の病気は、細菌が原因です。親から子供へと菌が移り、感染します。ですので、親のお口の状態は、そのまま子供へと移行します!

★ お母さん、お父さんが使ったスプーンでごはんをあげない!
離乳食が始まりだし、色んな食事ができるようになると、ついつい、アーンして、と親と同じスプーンで食べさせてしまうことが多いもの。しかし、歯科の病気は細菌が原因。できるだけスプーンは分けましょう!

★ 歯医者さんに慣れよう!
いざ、虫歯になってしまったら、なかなか怖がって治療が出来ないお子様も多いです。歯医者さんは怖い所じゃないよ!ということを理解してもらう為にも、普段から、歯医者さんに通う習慣をつけましょう。

★ 歯が生え始めたらフッ素が有効!
子供用の歯磨き粉にも、最近はフッ素含有が当たり前のようになってきました。子供の歯は、特にフッ素を吸着しますので、虫歯予防に有効です。毎日の歯磨きは出来るだけフッ素入りのもので。歯医者さんでは少し濃度の高いフッ素で、定期的にメインテナンスがベストです。

★ 予防処置にはシーラント!
臼歯とよばれる奥歯の中でも、溝の部分は、特に汚れのたまりやすいところ。虫歯になる前にシーラントをすることで、虫歯を予防します。特に、大人の第1大臼歯(6歳臼歯)は、溝の形が複雑ですので、この歯が生えて来たらシーラントをお勧めします。

★ 毎日の生活ではキシリトールを!
フィンランドでは、食後にかならずキシリトール入りのガムを噛むそうです。お子様が、ガムを食べられようになったら、キシリトール入りのガムを食後に食べるようにしましょう。ガムは唾液の分泌を促進する働きがあり、また、キシリトールは虫歯の原因の酸を産生する働きを抑制しますよ!

「子供の成長にあわせたケア」

ここでは、子供の成長期にあわせた特徴と、ケアの方法をご紹介します。

<乳児期> 
赤ちゃんの舌には、ミルクカスのような白っぽいものが時々たまります。水やぬるま湯でしめらせた布やガーゼで時々拭ってあげてください。もちろん、イヤがる時は無理せずに。

<生後7〜8ヶ月頃>
そろそろ、かわいらしい前歯が生えてくる子供が増えてきます。歯が生えて来たら、布やガーゼなどでぬぐってあげてください。離乳食が始まっていますので、歯磨きの習慣を徐々に慣らして行きましょう。

<1歳になったら>
歯ブラシを使い始めましょう。まずはお母さんが一緒になって磨いてみてください。子供は、お母さんの真似をしながら色んなことを学習します。歯磨きも一緒に楽しくしてくださいね。

<3歳を過ぎたら>
そろそろ1人でも磨けるように訓練しましょう。けれど、仕上げ磨きはまだまだ必要。鏡を見ながら一緒に楽しく歯磨きしてくださいね。

<5歳を過ぎたら>
食べたら磨く!の習慣を規則的に行う為にも、朝、昼、晩の1日3回磨きを実践してください。寝る前の歯磨きでは必ず、磨き残しが無いかチェックしてください。

<6歳を過ぎたら>
そろそろ第1大臼歯(いわゆる6歳臼歯)が生え始めます。これは、大人の歯になりますので、特に念入りに磨かないといけません。特に、溝の部分は虫歯になりやすい場所なので気をつけてくださいね。

仕上げ磨きは10歳ぐらいまで一緒にしてあげるのが良いでしょう。面倒でも、それが子供の将来の歯を決めてしまうと思ったら、きっと頑張れるはずです!
続けることが大切ですよ♪

「3歳ごろのケア」

3歳にもなってくると、階段も普通に登れるし、絵もかけるし、歯磨きや手洗いなども簡単にできるようになっていることでしょう。
この頃になったら、そろそろ、自分でも磨く、という習慣をつけて行きましょう。

まずは、歯ブラシをグーで持って、鏡の前で一緒に歯磨きをしましょう。
できれば、毎食後が望ましいのですが、外出先で出来ないときなどは、ブクブクうがいでも構いませんが、寝る前と、朝はかならず出来るようにしましょう。
そして、仕上げ磨きは必ず必要です。できれば、子供さんが1人で磨くための歯ブラシと、仕上げ磨きでお母さんが使う歯ブラシはそれぞれ1本ずつ用途にあったものをセレクトしてあげるのも良いでしょう。
そして、歯磨き粉も、フッ素入り、キシリトール入りのものがたくさん出ていますので、表示を確認して、是非歯磨き粉も使うようにしてください。

また、医院では、3〜6ヶ月に1度のフッ素塗布も行っています。医院で使用するフッ素は濃度も高いので、定期検診も兼ねて、是非いらしてください。
定期的に検診を兼ねて歯医者さんに通うことが何故大切かというと、虫歯になってからでは子供も怖くてなかなかお口を開けてくれないばかりでなく、治療もなかなか出来ないケースが多いのです。
歯医者さんは怖くない所なんだ、ということを、子供が肌で感じる必要があるのです。そのためには、繰り返し、根気よく通うことが潜在的に重要になってくるんですよ。

子供の歯を削るのは、歯医者さんでもやはりつらいのです。できれば、虫歯が無く、削ることがなく過ごせたら、、と思うのです。だからこそ、痛くなる前に、痛くならないように、歯科医院へ通って頂けたらと思います。

「2歳ごろのケア」

すべての乳歯が生え揃い始めます。かたいご飯も食べられるようになり、スプーンを使って自分で食べるようになります。

この頃にはきちんとご飯をかんで食べるように、噛む習慣を付けられるように配慮してください。噛む練習をベビーフードばかりに頼ってしまうと、きちんと噛んで食べる習慣はつきにくいです。食べ物をあまり刻みすぎないように、また、野菜の煮物やバナナなどを少し大きめにカットして噛まないと飲み込めないようにすると、噛む習慣もつきやすいでしょう。試してみてくださいね。

また、噛むことは大事なのには理由があります。いくつか挙げてみますね。
・消化を助けてくれる
・唾液の分泌が良くなる
・脳の働きを活発にする
・顎の成長を促す
・食材の異物を発見し排出する

この中でも、唾液の分泌が良くなると言うのが、ポイントです。
唾液は、歯についた食べ物を洗い流してくれる作用があったり、唾液中のカルシウムが歯に沈着して歯を強くしてくれる作用があったり、また、甘いものを食べてお口の中が酸性に傾いたものを正常に戻してくれるのも唾液です。
つまり、唾液が分泌されることによって、虫歯になりにくくなる、というわけです。

これは、大人でも同じことで、よく噛んでたべる、また、食べたらキシリトール入りのガムを噛む、なんて言うのも、同じようなことが目的だったりするんですよ。

「1歳半ごろのケア」

自由に歩いたり走ったりすることが出来るようになり、ご飯も不自由無く色々なものが食べられるようになります。この頃の不安は、不意の転倒などによる外傷です。口の周りを切ったり、ぶつけたり、予想外の出来事で怪我をしてしまうケースも多々あります。

唇や粘膜が傷ついた場合、子供はときに多くの出血をするため、ご両親もびっくりされて焦ってしまうこととおもいますが、ここは落ち着いて、清潔なガーゼなどを咬ませたり等して、圧迫止血を行ってください。止血しなかった場合は、医院までご連絡下さい。

また、歯が折れたり、抜けてしまったりした場合は、その歯を探して、捨ててしまわずに、牛乳などにつけて保存し、医院まで持って来てください。一番大事なのは、出来る限り短時間で適切な処置を受けることです。 と言うのも、抜けた歯によっては、もとに戻せば使えるケースもあるからです。
また、ぶつけた場合は、2〜3日のうちに、みるみる歯の色がグレーになってしまう場合もあります。こういう変色が見られた場合は、歯の神経が死んでしまったことが原因の変色です。虫歯などと違って歯の神経が感染したわけではないので、そのまま使う場合もあります。見た目が気になる場合には、歯の表面に白い材料を塗って、グレー色を隠すことなんかもできます。このあたりは、ご相談頂ければ対応させて頂きます。

「1歳〜1歳3ヶ月ごろのケア」

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いよいよ、離乳食の完成時期に入ります。そろそろ、大人と同じようなものが食べられるようになってきますね。腕、手首、口の動きの協調運動を覚えたり、道具を使って食べる練習なんかをスタート出来るようになって来ます。

早い子では、奥歯も生えてくる子供も居ます。そうなると、しっかり噛み砕くこともできるようになってくるので、しっかりと食べられるようになって来ます。
口へ詰め込みすぎたり、食べこぼしをするうちに、色んなことを学習して覚えて行きます。
食べ散らかしても、学習、学習!と思って、おおらかな気持ちで楽しくお食事が出来るといいですね!

ケアのことですが、奥歯が生えてきだすことで、奥歯の溝の部分も念入りに磨く必要が出て来ます。
歯の溝は、とても複雑な構造をしていますので、その分、食べカスなども残りやすいのです。ここを歯磨きで磨き残してしまうと、虫歯になりやすくなってしまいます。
気になられる方は、フィッシャーシーラントと言って、予防的にその溝を白い樹脂の材料で埋めてしまう方法なんかもありますので、ご相談下さいね。

「9ヶ月〜1歳児のケア」

9ヶ月にもなると、離乳食もそろそろ後期に突入している頃でしょう。舌の動きも前後、上下、左右と色々な方向へ動かせるようになり、歯ぐきでごはんを噛み潰して食べられるようにもなって来ます。

この頃になると、ほとんどの子供が前歯が生えてそろい終わってくると思います。また、丁度、生えたての状態なので、逆に言えば歯の質もまだまだ未完成でもあります。
と言うのも、歯と言うのは、数年使って行くうちに、唾液中のカルシウムが歯に沈着し、強さを増して行くからなのです。さらに、まだまだ離乳できておらず、哺乳瓶で甘い飲み物を飲む機会も多いので、虫歯になりやすい環境が整ってしまっているのです。

これらを改善し、虫歯になるリスクを減らすにはどうすればいいのでしょう?

・虫歯菌が赤ちゃんに感染しないような配慮をする
  →両親に虫歯が多いと、子供にも感染します。まずは、両親が虫歯を減らしましょう。そして、食事の時には、一緒のスプーンなどを使わず、子供には子供専用のスプーンや食器を使うようにしましょう。

・哺乳瓶で甘い飲み物を与えないようにしましょう
  →ジュースやイオン飲料などを日常的に哺乳瓶で飲ませている子供は、虫歯になりやすいというデータがあります。ミルクや母乳にも糖分は含まれているので、寝かしつけなどで飲ませたまま歯磨きをせずに就寝。。となると、どうしても虫歯になりやすいので、寝かしつけの前などは、麦茶やお白湯など、糖分が入っていないものを選んでください。

・上の前歯が虫歯になりやすい時期です!
  →この時期は、上の前歯が虫歯になりやすいため、お母さんの歯磨きの時には、是非念入りに磨くようにしてください。歯と歯の間や、歯と歯ぐきの境目なんかが虫歯になりやすい場所ですので、磨く時にも、その場所を念入りに!お願いします。

「7・8ヶ月児のケア」

そろそろ上下の前歯が数本、生えそろってくる子も出てくるでしょう。早い場合では、上下で8本ぐらい顔を出してる場合もあり、また逆に下の歯が2本ほどしか出ていない場合もあります。

離乳食も、1日2〜3回に増えたり、舌でごはんをつぶして、ゴックンできるようになってきていることでしょう。下の上下運動が出来始める頃なのです。
この頃に入ったら、そろそろお母さんとお子さん一緒に歯磨きを始めて行かれると良いでしょう。

しかし、寝返りも出来始め、なかなか言う通りに動いてくれなかったり暴れたりで、歯磨きどころじゃない方がほとんどだと思います。
おススメの方法をご紹介致します。

お母さんの太ももの間にお子さんの頭を挟み込む方法 
 まず、お子さんの頭を、お母さんの太ももの間に挟み込みます。
 次に、お子さんの両腕をお母さんの太ももの下に入れ込み,固定します。
 歯ブラシを用いて、手早く歯磨きを開始します。

つかまり立ちが出来るようになれば、大きな鏡の前で歯磨きの様子を見せながら一緒に磨く方法もあります。この場合は、暴れてしまうと効果がないので、機嫌の良い時には、たまにやってみるのも良いでしょうね。

「5・6ヶ月児のケア」

約6ヶ月頃から、歯が生えはじめてきます。中には、6ヶ月になっても歯が生えてこない子も居てるので、多少の前後は個人差として捉えてくださいね。

ちょうどこの時期は、離乳食のスタート時期と重なります。まだまだ、舌の前後運動が見られますが、唇を閉じて、ゴックン、と飲み込む動作が出来るようになってきます。

歯が生えてくると、心配になってくるのが、ケアの方法です。
最近ではいろんな製品が出ており、指サックのようなもので食べ残しを取ったりするようなものや、ガーゼのようなもの、また、小さい歯ブラシのようなものまで、多種多様です。
まずは、ガーゼや綿棒などで授乳後や離乳食後に歯のまわりを拭くことから始めてみましょう。余裕があれば、歯ブラシの感触になれてもらう為に、歯ブラシトレーニングを始めてみても良いでしょう。

また、この時に使う歯ブラシは、喉を突かないようなものをセレクトしてくださいね。未然に事故を防ぐのが目的です。

どうしても、こういうケアが難しいお母さんは、食後にお茶やお白湯などを飲ませて、洗い流すのも良いでしょう。ポイントは、糖分が口の中に残ったまま寝かせてしまうのを防ぐ点にあります。 この時期は、なかなか難しいので、無理無くスタート出来る時期を選んでくださいね。

「0歳〜4ヶ月児のケア」

赤ちゃんが生まれてすぐは、歯ぐきの中で,永久歯(大人の歯)が石灰化して成熟している頃にあたります。
また、この頃から生後4ヶ月頃までの間は、お乳を飲むことで5ヶ月以降の離乳に備えてお口のまわりの筋肉や舌などの運動が発達する頃でもあります。

舌は、前後にしか運動することができません。また、なんでも口唇で色んなものの形や感触などを知って学習するので、この時期の指しゃぶりは気にせずに様子を見てあげてくださいね。

「マイナス0歳児から」

マイナス0歳児、つまり、赤ちゃんがお母さんのお腹の中に居る時から、赤ちゃんの為のお口のケアも始まっています。
というのも、乳歯の芽はお母さんのお腹の中で作られるためだからです。

まず、顎の骨が作られ、乳歯の芽が出来始めるのは、妊娠7週目、つまり妊娠2ヶ月頃なんですね。そして、妊娠8〜15週、つまり妊娠3〜4ヶ月の頃には永久歯の芽も出来始めます。
その後、妊娠4ヶ月で乳歯は石灰化を始めカルシウムが沈着し徐々に硬く成熟して行きます。
つまり、お母さんがバランスよく栄養を摂取することで、赤ちゃんの歯質は決まってしまうのです。虫歯になりやすい子、なりにくい子を決める一番はじめのケアは、赤ちゃんが生まれる前から始まっているんですね。

マイナス0歳児から、お母さんが赤ちゃんのために、きちんとバランスよく栄養をとりましょう!

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